リブセンス第二の軸は不動産メディア事業「IESHIL」。1Q/17にはYoYで大幅に利益増加【企業分析】
ジョブセンスなどのサービスで有名な株式会社リブセンス。
私はそんなリブセンスの収益向上の第二の軸は「IESHIL」にあると思います。
そして1Q/17にはYoYで大幅な利益増加が見込めます。
では、IR情報をもとに考察していきたいと思います。
まず、、
そもそもリブセンスの今の軸はなんなのでしょうか。
2つのグラフから一目瞭然だと思いますが、主要なものは「求人情報メディア事業」です。売上高のグラフを見ると、全てのQにおいて求人情報メディア事業は80%以上を占めています。
不動産情報メディア事業
そんな中で今回着目していくのが「不動産情報メディア事業」です。
1つ目のスライドは2015年12月期のものになるのですが、これらをあわせてみると
まず、基本的には不動産情報メディア事業では1Qで急激に上昇する傾向があるのが
分かります。
そして、
2Q/14 69
4Q/14 57 →ー9
2Q/15 64
4Q/15 55 →ー8
と、2Q→4Qにかけては平均8.5百万円減少する傾向があるのが分かります。
なので1Qで上昇し2Q→4Qで減少というのが基本的な傾向になります。
そんななかで異質なのが2016年の2Q→4Qです。
「IESHIL」のマネタイズ着手により、
2Q/16 40
4Q/16 56 → +16
と、減少はおろか減少するはずの数値の約二倍ほども増加しています。
さらに、そもそもYoYでみたとき
2Q/15 64
2Q/16 40
と、2Q/16は前年同期に比べて24百万も少なくなっています。
にもかかわらず、
4Q/15 55
4Q/16 56
と、4Qでは前年同期を上回っています。
ですから、ただ基本傾向と逆行して増加しただけではなく、その増加量もしっかりと期待を見込めるほどのものということになります。
つまり、「IESHIL」によって全体の流れが変わったということなり、「IESHIL」が第二の軸になりうる可能性があると言えたと思います。
1Q/17には前年同期大幅に上回る
では具体的にどこまで伸びるのでしょうか。
数値を追って計算したところ、
まず4Q→1Qを見ると
13→14=+8
14→15=+29
15→16=+31
となっています。よっておおよそ前年増加比二倍のペースで増えていることが分かります。なので
16→17=+60 くらいになると予想できます。
そしてその通常増加に加えて今回は「IESHIL」の伸びがあります。
それについて詳しく見ると2Q→4QでQ間平均22百万のペースで増加しています。
よって4Q→1Q間でも約20百万の増加が見込めます。
これはこの2016だけの流れですから、通常増加に足すことができ結果
4Q/16→1Q/17=+約80 よって1Q/17で約80百万の利益が見込めます。
この時点で、2016年では1Q→4Qで前年に比べ約三倍も減少したにもかかわらず、
1Q/17で前年同期比約2倍以上の大幅増収ということになります。
というわけで今回はリブセンスについて分析いたしました。
「IESHIL」が第二の軸になり、具体的には次Qで前年を大幅に上回るということが言えたと思います。
【徹底分析&考察】SHOPLIST成長の理由はレディース会員の多さにある。
時代の流れに沿って何度もメイン事業を変えてきたクルーズ株式会社。
そんなクルーズの今のメイン事業である「SHOPLIST」の躍進の理由はなんなのでしょうか。
はじめに、、
まずクルーズのコマース事業≒ショップリストの業績から見ていきたいと思います。
一応数値を追っていくと、
1年目 22億円
2年目 65億円
3年目 97億円
4年目 145億円
5年目 190億円
と、基本的に平均42/年(億円)のペースで安定的に増加しています。
今期でも45億円と高成長しています。
四半期でみても、
14期 3Q 3172
15期 3Q 4632
16期 3Q 5706
と、約年1000百万以上の増加をしています。
ちなみに、3Q→4Qの減少は季節要因なので関係ありません。春夏と秋冬では服の単価が大幅に違うためです。
このように、SHOPLISTは安定した成長をしていることが分かりました。
では、それはなぜなのでしょうか。理由はレディース会員の多さにあると思います。
会員属性
SHOPLISTの会員属性は男女比約95%が女性で、だいたい25歳前後が多いです。
こちらはZOZOTOWNの会員属性になるのですが、男女比では約67%が女性となっています。
また、こちらはアパレル市場の分析なのですが、だいたい女性70% 男性30%ほどになっているのが分かると思います。
つまりZOZOTOWNは大体これに沿った適正な割合と言えます。
ですから、反してSHOPLISTの女性約95%というのはとてつもなく女性層に偏っているというのが分かると思います。
では、そんなレディース会員というのはどのような特徴をもっているのでしょうか。
アパレルにおけるレディース
つい先ほどにも述べましたが、日本のアパレル市場においてはおよそ男性3:女性7となっています。つまりレディースの方がだいぶ多いということで、これは皆さん実感としてあるのではと思います。
そしてこれは周知だとは思うのですが、基本的にレディースの方が流行が早く短いです。
これら二つのことから、レディースの方が多く、そして早く服をつくらなければいけないため、メンズに比べて1着あたりの単価が高いです。
よくレディースの方が質が良くて安いみたいな話も聞くと思いますが、その理由はこれです。
逆にメンズの場合は市場が狭いため、利益を出すために単価が高い傾向にあります。よってメンズは高級志向になるように仕向けられています。
ですから、
レディース=安くてファッション性のあるものを沢山
メンズ=高くていいものを少量
というのが大まかな傾向になります。
以上がレディース会員の特徴になるのですが、ではこれを踏まえた上でなぜレディースが多いとSHOPLISTは成長するのでしょうか。その根拠を挙げていきたいと思います。
毎日セールしている
まず、SHOPLISTはいつもセールをしています。
サイト全体のセールは数回ですが、ブランド、アイテム毎のセールは毎日行っております。
上写真はSHOPLISTのサイトなのですが、「セール商品一覧」「ブランドセール一覧」という項目があるように、SHOPLIST内ではセールはあたりまえのものとなっています。
つまり、「常に安い」というのがSHOPLISTの特徴でもあるのですが、ここで先述したレディースの特徴である「安物志向」というのが合致すると思います。
まずこのセールが常駐化しているというところがレディース会員の多さを活かせていると思います。
ファッション通販サイトの集合体である
SHOPLISTでは、普通のブランドだけでなくネット限定のブランド=他のファッション通販サイトのアイテムも取り扱っています。
ex.夢展望、リエディ、、
そのため、わざわざそれぞれのサイトで買わなくてもSHOPLISTを使えばまとめ買いができるのです。
ここで、また先述したレディースの特徴である「沢山志向」というのが合致すると思います。
そのため、様々なファッション通販サイトの集合体であるというのもレディース会員の多さによる成長に繋がっています。
このように、この2つのSHOPLISTの特徴がレディース会員の多さとマッチして、成長を生んでいるのだと思います。
というわけで今回はSHOPLIST成長の理由はレディース会員の多さにあると言えたと思います。
ZOZO主要ユーザーは実はファッション興味ない層。ZOZOTOWNユーザーを徹底分析。
「ファッションECといえば」ですぐに連想されるのは「ZOZOTOWN」。
それほど業界で有名かつ大きいZOZOですが、実際にはどのような層が利用しているのでしょうか?
というわけで、今回は「株式会社スタートトゥデイ」のIRを読んでZOZOユーザーを徹底分析してみました。
先に結論だけいっておくと、主要ユーザーは「ファッションに興味がない層」です。
そう結論づけられる理由をいくつか述べていきたいと思います。
まず、、
ZOZOの年間購入者数のグラフを見ていただければ一目瞭然だと思いますが、購入者の大半はアクティブ会員です。
最新の2017 4Qでは約6:4=アクティブ:ゲストとなっています。そして他の時期でも大体その割合は変化しません。
いや、言っても6割じゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそもZOZOにはゲスト購入なるものが存在します。他のファッションECでは、基本的には会員登録をしなければ購入できない場合がほとんどです。その中で、会員登録をせずとも買える中で、アクティブ会員の方が多い=会員登録をして買う人の方が多いということですから、6割というのは十分な数字になります。
それほどZOZOユーザーはリピート率が高いということですね。
根拠① アクティブ会員の属性
では次にそんなアクティブ会員の分析です。
まず男女比ですが大体7:3=男性:女性と、女性の方が多いことがわかります。
また、年齢は思っていたよりも高く、平均年齢32.8才といわゆるプレッシャー世代が多いようです。そして注目すべきは地域分布です。ネット通販なのでショップが少ない地方の方が多いかと思いきや圧倒的に関東圏が多数を占めています。つまり、ショップが充実しているにも関わらずネットで買う人がZOZOユーザーの中心であるということです。そしてプレッシャー世代が多いということで、基本的に消費に意欲的でないユーザーが多いということもわかります。
まずこの「地域」と「年齢」からZOZOユーザーの中心であるアクティブ会員はあまり消費したがらない、「ファッションに興味のない層」が多いということが言えます。
根拠② 件数と単価
これはまたまたアクティブ会員のグラフになるのですが、ぱっと見で金額と点数が比例していることがわかります。つまり点数が増えれば金額が増える、当たり前なようですが、点数が減って金額が上がる=より高級志向になるということでもあるので、先ほどのことも踏まえて大方比較的価格の低い商品を買うという傾向が変わっていないのだろうと予想を打ち立てておくことができます。
そして件数ですが、視覚的に基本増えていることがわかります。服は基本的に秋冬の方が単価が高いので3Qの方が価格が高かったり、その分件数が減ったりするのですが(2015 2Q 2782854 →2015 3Q 2557804 と顕著に減少しています。)、
その中で2017 2Q 5391093→2017 3Q 586580と2Q→3Qにも関わらず上昇していることがわかります。そして、そんなファッションの性質上重要なのが棒ではなく折れ線の方の前年同期比になるのですが、それも前後はあるものの基本的に正である=上昇しているということが分かります。
そしてここで比較するのが単価です。
先ほどの話と同様に3Qでは単価が急増しますが、前年同期比は基本的に負である=減少していることがわかります。(先ほどと同様に率の前後はありますが)
さてここで先ほどの件数と照らし合わせてみましょう。
件数→上昇傾向
単価→減少傾向
件数と単価はほぼ反比例の関係、つまりどんどん高級志向から遠ざかっていることが分かります。そもそも、最初のグラフで触れはしませんでしたが年間購入者数が増加しているということがパッと見てわかっていると思います。ですから、基本的にサービスが盛んになっているわけで、件数は上昇傾向になります。なので安いものをよりたくさん買うようになったというわけではなく、ただ単純に単価がより安いものを買うようになったと言えます。
しかしよく見てみると単価のグラフには少し気になるところがあると思います。それは、、
2017 2Q -14.4%
2017 3Q -4.8%
2017 4Q -2.5%
と、減少傾向が弱まってきているということです。
ここで注目したいのがこの出荷単価ではなく商品単価のグラフです。
両者の前年同期比を比べると、基本的に比例していることがわかります。
例えば、顕著な変化が見られた16 2Q→3Qですがこちらも
出荷 2.7→ -12.2
商品 -4.6→ -12.5
とどちらも急減していることがわかります。
この出荷単価と商品単価がほぼ比例しているということが何を意味するのかというと、商品単価が上がれば出荷単価が上がる=売っているものが高くなったから比例して買うものも仕方なく高くなっているということです。つまり、最新の2、3、4Qの出荷単価の上昇傾向は商品単価の上昇傾向の影響であり、ユーザーが高級志向になったというわけではないと言えます。
よって、ユーザーの中心はあまり高いものを買いたがらないファッション意欲の低い層であると言えます。
このように、今回はZOZOユーザーの属性分析をしてみました。
逆に言えばコアな層ではなく、大衆向けの、誰でも入り込みやすいファッションECであると分かります。そして当日配送が中止になったりフリマをやめたりと何かと話題のZOZOTOWNですが、そのユーザーの中心は二つの観点から「ファッションに興味がない層」であることが言えたと思います。
ペパボ成長の鍵はminne。来年には赤字回復、近い将来営業利益の主要部分を占めるようになる。
誰でも手軽にハンドメイド作品を売買できるハンドメイドマーケット「minne」。
そんな「minne」ですが、実は赤字真っ最中でそれを運営している「株式会社ペパボ」の利益率を下げている要因でもあります。では、これから足を引っ張っていく存在となるのでしょうか。 いえ、そうではなく、これこそが成長の鍵となるのです。
まず、、
ペパボ全体では、抑えるべき広告費は1091→952で減少、増収すべきものは、売上高+154増、営業利益+291増と、上昇傾向にあります。
しかし、ここで注目すべきは傾向ではなく実際の数値です。
売上総利益2017 1Q 1069
営業利益 2017 1Q 117
と、総利益の約10%しか営業利益になっていないことがわかります。
視覚的に見ても、売上と営業利益に大きなギャップがあることがわかります。
そもそも2015-2016に関しては、 ギャップどころか営業利益がマイナス、つまり赤字になっています。なぜここまで利益率が低いのでしょうか。ここで詳しく事業内容を見ていきたいと思います。
ギャップ の理由
営業利益のグラフを見れば 一目瞭然だと思います。ペパボでは色々な事業を行なっているのですが、その中でも1つだけ異彩を放っているのが「ハンドメイド事業minnne」です。他の事業は基本的に黒字であるにも関わらず、ハンドメイド事業のみ大幅な赤字となっています。
逆に言えば、minnneの赤字を他の多様な事業で補っている、という感じになります。
では、このminnneがこれからも赤字を出し続けるのでしょうか。そもそもなぜペパボはminnneを継続しているのでしょうか。
それは、このminneが大いなる可能性を秘めたサービス、つまり成長の鍵であるからです。
minnneが成長の鍵である
そもそも、ペパボはminneをやめるどころか期待をかけて投資を続けています。
2015年5月には同じハンドメイドマーケットサービスである「tetote 」を買収しました。
また、広告費2017 1Q 302百万に対して、minneの広告費は230百万、つまり広告費の約2/3はminnneにかけているのです。
では、そんなminnneについて詳しくみていきたいと思います。
基本的に赤字のハンドメイド事業ですが、それが横ばいしているというわけではありません。
営業利益2016 1Q〜2017 1Q→−395〜−194
と、一年で+201百万の増収になっています。
また、作家数・作品数共に順調な増加傾向にあります。
DL数に関しても、前年同期末比32.7%増の719万件、流通額に関しても前年同期末比23.6%増の24.3億円と、比較的順調です。
また、作家数37万人というのは業界No.1であり、No.3のtetoteを買収しているので市場シェア率は著しく高いことがわかります。
では、このハンドメイド事業がどれほど全体の利益に関わっているのでしょうか。
営業利益2016 1Q〜2017 1Q→−174〜+117=+291百万
ハンドメイド事業営業利益2016 1Q〜2017 1Q→−395〜−194=+201百万
このように、営業利益の増収の約70%はハンドメイド事業によるものになります。
また、広告費に関しても、
全体2016 1Q〜2017 1Q→517〜302=−219百万
ハンドメイド事業2016 1Q〜2017 1Q→439〜232=−207百万
と、広告費の減少の9割以上がハンドメイド事業によるものになります。
つまり、ハンドメイド事業の利益が上がれば上がるほど全体の利益も大きく上がり、
広告費を抑えれば抑えるほど全体の広告費も抑えることができる、より密接に連動した歯車的関係であると言えます。
ハンドメイド事業の増収は他の事業に比べてより潤沢な潤滑油となって歯車を回すのです。
このように、ペパボの利益を左右するのはハンドメイド事業(minnne)だといえます。
現在営業利益約−200百万でこの一年で約200百万の増収があったわけですから、来年にはハンドメイド事業の赤字は回復していると考えられます。
まだデータが少ないのでこれからどのような右肩上がりの曲線を描いていくかわかりませんが、ハンドメイド事業が密接に関わっていることやペパボのハンドメイド事業への熱の入れ方を見るに近い将来営業利益を大半を占める主要事業へと成長していくのではないでしょうか。
BUYMAの課題はARPUの維持。その鍵を握るメンズ会員をよりアクティブにする為にはメンズ「POST」をより盛んにすべき。
ソーシャル・ショッピング・サイト「BUYMA」の運営を行っている「エニグモ」。
最近会員数も急上昇し好調のように見えますが、その課題点とはなんなのでしょうか。
それは、ARPUの維持。そしてその鍵を握っているのがメンズの「POST」サービスです。
今回はこれについて述べていきたいと思います。
まず、、、
BUYMAはファッションを民主的にするような「誰でもファッションの仕事ができるCtoCサービス」です。海外現地で安く手に入れて、それを日本の価格より安く買えるというイメージがあると思います。
そんなBUYMAですが、、
視覚的にわかるように基本的に取扱高は上昇傾向、
特に、2016年1月期→2017年1月期➡︎+8837(百万円)と、この一年は大幅な成長が見られました。
そんな2017年1月期を細かく見たものがこちらです。
先ほども述べたように基本的に増加傾向になっています。そんな中で異質なのが「会員数」と「ARPU」になります。
特に上昇率の高い「会員数」が今期の急上昇の要因と言えると思います。
というわけでまずは、何故会員数が上昇したのか考察していきたいと思います。
「会員数増加の要因」
まず1つ挙げられるのが取り扱い件数の増加=アイテムの多様化です。
2015-2016 +183,895
2016-2017 +544,103
と、2016-2017間では前期に比べ約3倍の増加が見られました。
このアイテムの多様化が何を意味するのかというと、それは「ユーザーの多様化」です。
アイテムの多様化により、元々レディースが主であったBUYMAにメンズ層が増えました。2016-17では前期に比べ約2倍の増加数が見られました。
つまり、取り扱い件数の増加に伴ってメンズ層も増加すると言えます。
レディースに関してはそもそもある程度確保しているので、メンズほど取り扱い件数に伴って顕著に表れるということはありません。
そして、BUYMAでは購入する際に会員登録をしなければならないのでこのメンズ層の増加が会員数増加の1つの要因となります。
そしてもう1つが「オウンドメディア」です。
具体的な数値がないので視覚的になりますが同じく2016-2017で特に「STYLE HAUS」による新規会員数の増加が著しいことがわかります。
「STYLE HAUS」は女性向けのサービスなので、
レディース会員の増加は「STYLE HAUS」
メンズ会員の増加は「取り扱いアイテムの多様化」
が要因となると言えます。
ではここで先ほど異質であった「ARPU」ですが、今回はこれこそが課題であると言っています。それは何故なのでしょうか。
「ARPUが課題である」
先ほどの表でもわかったと思いますが、「ARPU」のみ微減となっています。
20015〜2017にかけて約1000〜1500円/年のペースで減少しています。
そもそも「ARPU」というのは何かと言うと、「年間購入金額」のことでどれほど会員がアクティブに機能しているかが分かります。
ここで、会員数が上昇したのに対して「ARPU」が減少すると、機能しない会員が増えた「空洞的な会員数の増加」ということになります。
そのため、「ARPU」というのは維持すべきものであるのです。しかし今期は、微減であるため顕著なものではありませんが質の伴わない会員数の増加に近いことが起こっています。ですから、BUYMAの課題は会員数の増加と共に「ARPU」を維持することになります。
「ARPU」を維持するには、、
では「ARPU」を維持するにはどうすればいいのでしょうか。
ARPU=単価×件数
となるわけですが、ここで上げるべきは件数になります。
というのも、先ほどメンズ層の増加、つまりユーザー層の多様化を要因として示しましたがこれによってより単価が下がることが予想されるからです。
特にメンズ10代が
2015-2016 +320
2016-2017 +811
と、2016-2017で前期比約2.5倍の急増を遂げています。
この若い層が伸びてきたということで、今までのインポートブランド購入可能圏内層で構成されていた頃に比べて今の方が単価が下がるのは確実と言えるでしょう。
ですから、単価が下がる分件数をあげていかなければ「ARPU」を維持できないのです。(そもそもBUYMAはハイブラ中心なので元々単価が高いですが)
ではそんな「件数」をどのようにして上げていけばいいでしょうか。
ここで鍵を握ってくるのが新規開拓層であるメンズユーザーと「POST」です。
もう1つのオウンドメディアである「POST」は見てわかるように新規会員獲得にはあまり貢献していません。しかし、オウンドメディア経由の取扱高を見ると半数以上が「POST」経由になります。
新規会員が少なく取扱高が高いということは、つまり件数に直結してくる既存ユーザーのリピート促進能力が非常に高いということが言えます。
ですから、この「POST」をさらに活用してより会員をアクティブに機能させて件数を上げるというのが維持方法のひとつだと言えるでしょう。
ここでメンズユーザーとの関わりですが、実はレディースPOSTとメンズPOSTでは盛ん度に差があるのです。
メンズ レディース
5/12 6件 9件
5/11 4件 9件
このようにメンズPOSTはレディースに比べて少なめです。
しかし今、新規開拓層の取り込みにあたってメンズ層が急増中です。
ここでメンズPOSTを盛んにすることができれば会員数と共に件数も増加させることができるでしょう。
例えば、メンズPOST投稿者にはなにかしらの特典を付与したり、あるいはPOST自体の露出をもっと増やしたり。
方法は定まったものではないと思いますが、今回「ARPUの維持にはメンズPOSTを盛んにすべき」だということは確かであると思います。
ロコンドEC事業の伸びしろは「LOCOMALL」にあり。
「試着できるファッション通販サイト」を運営しているロコンド。元は靴から始まりましたが、今では色々なアイテムを扱う「試着可能な」総合ファッションECサイトへと変わっていきました。
そんなロコンドですが、「LOCONDO」、「LOCOMALL」の二つのECを運営しています。今回はこの「LOCOMALL」に着目して、これがロコンドのEC事業の伸びしろになるということを述べていきたいと思います。
はじめに、、
ロコンドは、
EC事業の「LOCONDO」「LOCOMALL」
PF事業の「LOCOCHOC」等
自社ブランド事業「MANGO」
主にこの3つの事業を展開しています。
しかし、最新の2017年4Qでは
PF事業:EC事業=496:1679(百万円)
ということで、EC事業はPF事業の約3倍以上の取扱高があることがわかります。
ですから、先ほど挙げたものの中でもやはりメインになってくるのが今回のトピックでもあるこのEC事業になります。
そして、基本的に数値は増加傾向にあるということも言えます。
ここで、このEC事業を分解してみます。すると先ほども挙げたように「LOCONDO」と「LOCOMALL」に分かれるのです。ここで今回はこの「LOCOMALL」がミソであるというのですが、それは何故でしょうか。
答えはとてもシンプルで、ここ最近のEC事業の増加傾向はほぼ「LOCOMALL」によるものだからです。
「会員数」と「顧客単価」の二つの項目に分けて見ていきましょう。
「会員数」
グラフからわかるように、基本的には会員数は増加傾向にあります。
しかし、「ロコンド」の会員増加数は、
(黄緑が減少、水色が増加)
2016 2Q +52
2016 3Q +48
2016 4Q +37
2017 1Q +32
2017 2Q +32
2017 3Q +31
と、少しずつ減少していっています。
それに対して「モール」では、
2016 3Q +20
2016 4Q +33
2017 1Q +32
2017 2Q +48
2017 3Q +47
2017 4Q +54
多少の揺れはあるものの、増加していっています。
よって、全体の会員数増加傾向の伸び率で大きな役割を果たしているのはこの「モール」の会員数と言えます。
また、ロコンド会員のみの増加時ロコンド&モール会員の増加時の「アクティブ会員数」(主に売上に貢献している会員)の増加率を比べても、
2016 1Q +65 アクティブ増加率 約1.07倍
ロコンド&モール
2016 3Q +64 アクティブ増加率 約1.09倍
と、ロコンド&モール会員増加数の方が少ないにもかかわらず、アクティブ増加率は高くなっています。
このことから、モール会員の方がより機能していて質が高いとも言えます。
「顧客単価」
視覚的にはロコンド、モール共に横ばいに見えます。
しかし、数値を追うと、
ロコンド 2015 1Q → 2017 4Q= 12071 → 11914
モール 2016 2Q → 2017 4Q= 7138 → 7800
と、ロコンドは約0.99倍の減少、つまりほぼ変化なし
モール は約1.1倍の上昇、つまり緩やかに上昇しています。
ロコンドとモールの顧客単価の絶対値をみると圧倒的にロコンドの方が大きい為、主力はロコンドであると言えますが伸び率で見るとモールの方が高い、つまりモールの方が伸びしろがあると言えます。
このように、二つの観点からモールの可能性を見出せました。
また、モールがデータに加わった2016 2Q以前と以降では取扱い高の伸びも直に変わっていっています。
以前〜2016 2Q では +170百万
2016 2Q〜以降 では、+585百万
となり、大きく見てもモールがいかにEC事業成長の手助けをしているかというのがわかると思います。
大きく見たときには単純にもう一つのECとしての手助け、詳しく見たときには停滞しつつあるロコンドの代わりとしてEC事業成長率を伸ばす「伸びしろとしてのLOCOMALL」が見えてくると思います。
これからのクックパッド成長の鍵は「レベニューシェア」にある!!
こんにちは!高校二年生16歳でファッション系YouTuberやってますだっつです!
今回はクックパッドについてです。
レシピサービス事業で有名なクックパッド。著しい成長を遂げているイメージがありますが、これからも成長し続けるのでしょうか。その鍵は2014年からドコモと始めた「レベニューシェア」にあります。
その理由は、
・新規会員の獲得に悩んでいる
・スマホでの利用者が多い
が挙げられます。では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
そもそも...
クックパッドの売上収益の中心は会員事業になります。よって、プレミアムサービス会員数がクックパッドの売上収益の一つの重要な要因となってきます。
新規会員獲得に悩んでいる
基本的には右肩上がりな推移に見えますが、傾きが緩やかになってきています。
2013年1Q➡︎4Qにかけては+13.3万人
2014年1Q➡︎4Qにかけては+26.3万人
ここまでは順調に増えていきますが、
2015年1Q➡︎4Qにかけてで+12.5万人
と伸び数が減少し、
2016年1Q➡︎4Qにかけては+9.9万人
と、さらに減少しています。
まだマイナスにはなっていないものの、これ以上の新規会員獲得による成長は見込めないでしょう。
そもそも、クックパッドのレシピサービス事業におけるシェア率は非常に高いので、ほぼ会員を獲得しきったということになります。
では、そんな中で成長するためにはどうすればよいのでしょうか。
実は、プレミアムサービス会員にかかる費用はブラウザver.とアプリver.で違います。
ブラウザver.→月額280円
アプリver. →月額400円
このように、アプリの方が単価が高いのです。
では、こちらを見てください。
上記の点を踏まえた上でこちらをみると一つの可能性が見えてきます。
アプリユーザーを増やすということです。
会員一人当たりの単価をあげることによって成長を目指すのです。
しかし、これには大きな落とし穴があります。
先述したように、そもそも会員はほぼ取りきっているのです。
確かに、これからも会員は増えていきますがそれはどんそん緩やかなものになっています。これから獲得できる残り少ない会員をなるべくアプリユーザーにする、というのもいいですが、それにはあまりにも会員を取り切りすぎてしまいました。
よって、アプリユーザーを増やせば多少の成長は見込めるでしょうが、結局獲得見込みのある会員数が少なすぎるため、以前のような大幅な成長は見込めないでしょう。
スマホでの利用者が多い
先ほどものせましたこのデータになりますが、ブラウザorアプリの観点以外にもっと大きく見て「スマホでの利用者が多い」ということが言えます。
PC利用者もまだ残っていますが、視覚的に(特にスマホブラウザ)スマホユーザーが増えているのがわかります。
ここでどういうことが言えるのかというと、他のユーザーを増やすというような話ではなくスマホユーザーが多いというところ、スマホとの親和性が高い作戦を立てるべきだということです。
このような状況下で打ち出されたのが「レベニューシェア」です。
概要はこのような感じになるのですが、つまるところドコモのdグルメにサービス提供をしてドコモユーザーを取り入れようということです。
では、これによって成長はあったのでしょうか。
結果はこの通りです。
2014年に始まり、最初は売上が少なかったものの、その後順調に成長していき2016年4Qには売上の約30%をもしめるようになりました。
つまり、会員数の伸び率の減少にもかかわらず右肩上がりの売上の要因は「レベニューシェア」だったのです。
では、なぜこんな救世主的な立場になれたのか。
それは上記した二つの状況が理由になります。
この「レベニューシェア」なら、
新規会員数減少→無関係
スマホユーザーの増大→親和性が高い
ということでこれらの状況を打破できます。よってこれが解決策となったのです。
このように、今現在の売上の中心は会員事業であるが、その中身は「レベニューシェア」に侵食されつつあるのです。
そして、ドコモが国内契約数シェア1位であることや、スマホが主流になっていること、そして狙っていくべきはスマホユーザーであるということから「レベニューシェア」が成長の鍵になると言えます。